【秘湯】青根温泉「不忘閣」宿泊記
たまには飛行機以外のマニアックな旅行ネタです。
ひょんなことから仙台に行くことになりました。
(もちろん当初は飛行機に乗るためだったのですが…)
冬の仙台=冬の東北に行くなら「やっぱ温泉でしょ!」と少ない脳みそが思い付き、どこに行こうかなぁ、となりました。
温泉に行くからにはやっぱり泉質が良いところを選びたいもの。
まずはじめに思いついたのは、数年前に一度泊まった秋田県の乳頭温泉郷「鶴の湯」
しかし、秘湯ブームの昨今、到底部屋は空いていませんでした。
となるとどこに行くか。雰囲気の良い銀山温泉にでも行きたいなーとなりましたが、実は銀山温泉ってめちゃめちゃ高いんですね。。。
お呼びでなかったです…
そこで「鶴の湯」が加盟している「日本秘湯を守る会」の宿を探すことをしました。
仙台近郊で見つかったのが、今回の青根温泉「不忘閣」です。
事前の口コミに温泉は良いものの、部屋・館内の設備にネガティブな意見が多かったので心配していたのですが、さてどうだったのでしょうか。
今回はそんなことを記事にしてみたいと思います。
そもそも青根温泉とはどこにあるのか。
ココです。宮城県の南の方ですね。
場所としては、遠刈田温泉(とおがった温泉)から不忘閣さんの送迎車で15分ほど。
遠刈田温泉まではなんと、1時間に1本程度仙台駅から直行バスが出ています!
アクセスは良い方だと思うのですが、仙台の街中で「青根温泉」と言うと、知らない人も多く、そもそもこの青根温泉自体が隠れ家みたいなところですね。
自分は前日の晩から仙台入りをしていたので、朝から仙台(青葉)城跡に行ったり、牛タンを食べに行ったりしました。
仙台(青葉)城跡定番の伊達公騎馬像
宮城縣護國神社。
ひょうたんお守りの赤と、抜けるような青空のコントラストが素敵です。
そしてお昼の牛タンは太助さんへ。
こちらは牛タン発祥のお店ということで、オススメの塩味。
いつもたれ味を食べてしまうので、素材のおいしさに気付くことができました。
そしてチェックインが可能になる15時現地着を目指し、仙台駅前を13時半に出発。このバスは、遠刈田温泉の街中まで利用者が多く、ほぼ満席でした。
確実に乗りたい方は、出発の15~20分前までにはバス停にいた方が良さそうです。
そして、終点の宮城蔵王ロイヤルホテルで下車。ここまでお迎えに来てもらえます。
送迎車で15分ほどで到着。
門からすでに歴史を感じますね。
一気に5組ぐらいが到着で、慣れた方は「各自どうぞー」といった感じで三々五々。
待ってる間にロビーを。入った瞬間から素敵です(^^)
初めて組+不忘庵(別館)はまとめてご案内となりました。
部屋までのあいだ、従業員の方がお風呂の種類、入り方を詳しく教えてくれます。
事前に調べてましたが、人気の「蔵湯」は、貸切風呂ですが予約できず、誰も入浴していないタイミングで札をゲットし、貸切るという、何とも伝統的なスタイル。
俄然、やる気が起こります。
部屋は、不忘庵の部屋のため、本館からは100段ぐらいの階段を上ります。
ここも事前の噂では寒いと書かれてましたが、こまめに石油ストーブが設置してあり寒くありません。
浴衣もしっかり分厚い丹前、ソックスが用意されており寒さを感じません。
強いて言うなれば、浴衣+スリッパが歩きにくかったぐらいです。
20時に男女入れ替えとなるため、計画を立てて行かなければ全てのお湯が制覇できません。
まず向かったのが「新湯」
「秘湯を守る会」の宿にいくとかかっている提灯。
入り口の看板はモダンに作られてますね。
"新"湯と言いながらも、伊達政宗が入っていた当時のままで400年以上の歴史があるそうです。新湯の特徴は、石組みのお風呂であること。そのためお湯がまろやかになり、常連さんではココにしか入らない方もいらっしゃるそうです。
貸切で気持ち良く。
そして、風呂あがりは本館の金泉堂で一休憩。
コーヒーやお茶、水、地酒などが自由に飲めるように置いてあり、こんにゃく田楽、餡ドーナツといった軽食も置いてくれています。
蔵湯の札もまだ帰ってきていないので、「御殿湯」に行きます。
御殿湯は、普通のお風呂です。少し残念な感じがします…ただ、室内のお風呂なので、寒くないのは良いところです。(それゆえ写真はありません。。)
再び金泉堂に戻ってきてのんびりしたいところですが、そうはしていられません。
蔵湯の札が置いてあるフロントをこまめに往復し、ついに!
札が返って来てるではありませんか!
そそくさとゲットし、「蔵湯」へ向かいます。
蔵湯へ続く通路からすでに趣があって素晴らしいですね。
途中にはこんな祠もあります。
そして!!
蔵の中の温泉。
こんなところに湯船があるなんて、、、という感じですが、あるんです。
ライティングのおかげもあると思いますが、何か神々しささえ感じます。
ひたすら源泉が注ぎ込む音だけが聞こえてきて最高にリラックスできます。
しかし、時間制限が30分と決まってます。次に待ってる方もいらっしゃるので時間は守りましょう。
他にももう一か所貸切り湯があります。
それが「亥之輔の湯」です。
ここも、鍵が開いていればどうぞ、というスタイルですので、運次第です。
2回目ぐらいのトライで入れました。
茶室のような、にじり口(とまでは言わないですが…)のような入口(建物から出るから出口かな?)を入ると、脱衣所があり、そこの扉を出るとお湯があります。
しかしココ!屋根はあるものの、四面中の一面に壁が無くめちゃ寒いわけです。
しかもこの日は日が沈むころから吹雪いており、頭に雪を積もらせながら入ったのは言うまででもありません。
風呂のサイズも小さいので、早々撤退です。
そうこうしていると晩御飯の時間です。
近くに温泉街もないので、唯一の楽しみです
晩御飯を食べる部屋の近くにある青根御殿が望める小部屋。
何とも時代を感じる空間です。
正直、懐石だとは聞いていましたが、宿の晩御飯だし…とか思っていたのですが、もう感動!
先付の段階でこのボリューム。節分が近かったこともあり、人参が鬼の顔、牛蒡がこん棒を模して作ってあり、見た目も楽しめました。
味は言うまでもなく最高で、食べるたびに美味しくてため息が出るぐらい。
これも料理なんですよ!
かまくらは塩釜で食べられませんが、雪だるまはユリ根なので食べることができます。
そんなこんな2時間ぐらいのんびりかけてお腹も心も満足できた懐石でした。
食後はお風呂が入れ替わっていますので、「大湯」へ。
ここもまた雰囲気が素敵です。貸切り湯ではないのですが、貸切状態。
満室とは聞いていたのですが、そもそも客室が15室しかないので、とても静かで落ち着いています。
大湯の後も何と!!この日2回目の蔵湯へ行けてしまいました。
この頃になると、金泉堂は甘味もコーヒーもない状態。。
チェックインの頃に補充されたのちは追加がないようです。ちょっとがっかり。
結局、新湯に来た時から寝る時まで一度も部屋には戻らずじまいでした。
部屋は水回りが残念という口コミがありましたが、泊まった部屋は洗面所ではお湯が使えました(といっても、常時お湯が出るのではなく、事前に温めてあった分を使い切ると水になります…)し、トイレもウォシュレット完備でした。
しかし、帰り際に他の部屋を覗いてみると従来通りの洗面所、トイレもあったので、こればかりは運なようです。
(我が家は公式Webサイトから予約したらかな…とか勝手に思ってます。)
夜の青根御殿。電気が点いてますが、ここに泊まれるわけではありません。
入れるのは朝ごはんの後の見学ツアーのときのみです。
翌日、朝ごはん後の青根御殿見学ツアーです。
青根御殿から本館を。一晩でかなり積もりました。
歴史を感じる建物ですが、それもそのはず。
伊達藩主が訪れていたそうです。(建物は昭和初期の再建だそうです。)
この蔵の中に蔵湯があります。
つららと白い蔵の壁、竹の緑がなんともきれいです。
一泊はあっという間。
チェックアウトの時間はすぐにやってきてしまいます。
心ゆくまでのんびりできて、贅沢な時間を過ごすことができました。
不忘閣は、自分のなかの温泉宿歴代Top5に入りました。
(ちなみに不動の1位は冒頭に出てきた鶴の湯です。)
その後は仙台駅前まで戻り、あおば通駅から松島へ。
松島を眺めながらお抹茶とずんだ餅。めっちゃ楽しんでます。
松島から仙台空港への戻りは、松島海岸→高城町→仙台→仙台空港と乗って、初の東北仙石ラインを楽しもうとしたのですが、架線にビニール袋が引っかかったとかで仙石線の運転見合わせ…(´Д` )
飛行機に間に合わない!!と焦るところですが、事前に情報を得ていた松島→仙台空港のバスがあったのでそれで行きました。
現在実証実験中らしいのですが、乗った時は我が家の2人のみの利用。
非常に申し訳なくなったのですが、乗って路線を維持してあげることがとても大切と痛感。料金も電車とほぼ変わらないですし、是非乗ってあげてください!
以上、不忘閣の宿泊レポと超簡単仙台旅行レポでした!